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書評

書評:M鍋

皆さん、実物の鶴を見たことはありますか?実は私、夏休みに釧路へ行き、丹頂鶴を見てきました。鶴の美しい姿に圧倒されました。丹頂鶴は一時期絶滅したと考えられていたのですが、大正時代にわずかな鶴が発見され、その後の釧路の方々の努力のおかげで、今では1000羽以上の鶴が生息しているそうです。

 さて鶴が出てくる物語で、皆さんがまず思いだすのは「鶴の恩返し」ではないでしょうか?どんなに本嫌いの人でも、幼い頃に読んだことがあるはず。でも、私が「丹頂鶴」を見て思い出したのは、安房直子さん(故人)が書いた「鶴の家」の話でした。「鶴の恩返し」は鶴を助けることから話は始まるのですが、「鶴の家」は長吉さんが、誤って鶴を撃ってしまうことから始まるのです。でも、この話は鶴の「恨み」の話ではありません。長吉さん一家に秘密にされている素敵な青いお皿に、増えていく鶴の模様。終盤にむけて少しミステリアスに展開していくのですが、最後はきっと心地よい感覚で読み終えることができます。私が釧路で見た丹頂鶴は長吉さんの青いお皿から飛び出してきた鶴の末裔かも・・・などと想像してしまいそうな話です。

 本を読むのが嫌いな人も多いかと思います。本を読もうと思って、本好きな人に勧められた本を読んでも、内容がマニアックすぎて何が良いのかさっぱりわからなかったり、やたらと教養じみていたり、説教じみていたりして、ますます本が嫌いになったり・・・。でも安心してください。この話は児童文学。あっという間に読めてしまいます。安房直子さんはおすすめです。けっして聞いてはいけない秘密を聞いてしまい、耳のお医者さんに取りにいく話「鳥」や縄跳びをすると異国へ行ってしまう「夕日の国」など。昔から大好きな童話作家です。本から教養・知識を得ようと思って読まなくても、今回の私のように旅で出会った風景から、ふと鶴の話を思い出すのも本を読む面白さではないかと思っています。

ちなみに全く鶴はでてこないですが、本好きな人は川上弘美の「真鶴」もおすすめですので是非読んでみてください。


by Fujii-group | 2020-01-11 17:00 | 書評 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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