今回、わたしが紹介するのは有川浩さんの「キケン」です。
この小説の背表紙には・・・
「ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】。部長・上野、副部長・大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。」
・・・とありますが、10年後の主人公が結婚した奥さんに大学時代のエピソードを語りながら、大人になった「いま」の自分を振り返る物語でもあります。
エピソードの中にはキャンプファイヤーという爆破実験や、学祭で元手を3倍に増やすべく不眠不休での出店、拉致された主人公を助けるために追うロードバイクで現場に突っ込む部長…などなど、実世界でほぼ起こらないことが語られているため、読み始めは少し退屈に思うかもしれません。(この小説の著者である有川さんのように、女子から見た男子はこんなに全力に無意味で無謀なことをしかも本気でやっているという風に見えているのでしょうか??)
でも、最後まで読み進めると、「過去」の自分と「いま」の自分の対比にハッとさせられます。
僕らはだんだん年齢を取って大人になっていくけれど、いつまでも自分が過ごした時間や気持ちは色褪せないことに気づかされました。そして、いつまで目の前のことを全力で楽しむことができるのかなと。
だけど、いまも周りに目を向けると楽しいことがたくさんあることに気づかせてくれる小説でした。
この本は、ちょっと疲れたときなどに、手に取って読んでほしい1冊です。
by Fujii-group
| 2019-11-18 20:58
| 書評
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