わたし達の誇り 2017年度 (教授日記)

今年は8名が立派に成長し、修士課程の修了(青木・川端・高橋・中村・三田)と、学部の卒業(見城・陳・内田)を迎えました。本研究室史上、修士は11-15人目、学士は24-26人目の誕生です。本当に、おめでとう。
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青木友那さんは学部2年生の初期に前触れなしで13号館に現れ、「運動分子生物学研究室に入るにはどうしたらいいですか?」と、あたりの人々に聞きまくったそうで、私が外出先から戻るとそれが噂になっていた。恐らく、大学のシステムも分からないまま熱に浮かされ訪ねて来ていて、その後5年間を一緒に過ごしたいま、青木さんが(当研究室を選択できる)生命科学の学生でよかったと、心から思う。青木さんは、骨格筋細胞における「非」筋細胞要素の解析という人類未踏の挑戦を選び、当研究室の武器を多数使いこなして後進への道を拓いた。また早くから研究室に所属していた者として、同輩・後輩たちの面倒を、色々な意味で、とてもよくみてくれた。
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川端有紀さんは学部3年生の終盤に東京都医学総合研究所での研究会にフラリと現れ、「来年の卒業研究は運動分子生物学研究室でやりたい」と、身振り手振りを加えて熱く、しかし決して目を合わせず、訴えてきた。会話は数分程度のものだったが、川端さんはこの時、自分の中の「愛想」を使い果たしたらしく、その後は彼女の愛想を見ることはなくなった。愛想はなくしても研究に対する情熱は失うことなく、黙々とデータを重ねる姿は頼もしかった。周囲に素直でない愛情表現を投げつける度、倍になって愛が返ってきているのを見て、川端さんの魅力と、それを理解する仲間たちを、頼もしく思った。
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高橋恵さんは逆に、絶えない笑顔のキラキラした目を逸らさずに、眞鍋先生と私の元に、進路相談に来てくれた。それがきっかけになって、当研究室を選び、修士まで進学してくれたのだと思う。その後の時間を一緒に過ごすうちに、高橋さんのキラキラは、周波数を変化させ他者を操っていることに気づいた。お願いの時は低周波のフラッシュ効果で相手の心をつかみ、扇動する際は高周波のビーム効果で相手を煽った。ミーティングでは意識が遠のき無周波で、気まずい状況では複数の周波が混じって目が泳いだ。その眼力で、修士課程では新規生体分子の存在意義を見抜き、全く不明だった機能の理解を進め、プロジェクトの窮地を救ってくれた。
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中村芽莉さんは入学して間もなく研究室にやってきた。幼い子犬が知らない場所へ迷い込んできたかのようで、訪ねてきたものの何をしていいのか分からない彼女の不安な視線と、何をしに来たのか分からない(研究室の配属は何年も先)私たちの不思議な視線が、絡まって奇妙な化学反応を起こしていた。けれど、中村さんの「知りたい」という強い思いはその時に伝わってきて、学部3年次に研究室に所属してからは、その強さはさらにパワーアップした。何代にも渡ってきた遺伝子組み換えショウジョウバエを用いたスクリーニングを終結させる傍らで、外部のアクティビティにも積極的に参加し、マルチタレントぶりを発揮した。
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見城茜さんは、スタッフが示した卒業研究のテーマ候補の中から「2番」を選んだ。他2名の同級生たちは、自分が取り組みたい卒研テーマを、解析対象となる現象名や分子名でコールしたのに対して、見城さんは「私は2番で」と答えた。この答えに、隠しても逆にそれが表立って目立ってしまうという、彼女の正直でオープンな人柄が表れていた。(Say peroxyredo…)。遺伝子組み換えマウスを扱う慣れない実験に一生懸命取り組んで、一年足らずで多くの事を吸収した。その自然体な努力する姿と、それを照らすまっすぐな明るさが、一緒にいる仲間たちを癒してくれた。
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陳結希さんは声高らかに歌った。ある時は仲間の顔姿を描き、別の時には観察した者・物・事を流ちょうな日本語で記述した。自分の中からあふれ出る思いを、表現する術を多く備えていた。表現された者・物・事は優しさに満ちていて、それらに触れる人々をも優しくした。シークレット・サンタでは、ミステリー小説顔負けの謎解きゲームを用意しながら、それを解くカギを示し忘れる可愛さがあった。それとは別のカギを無くす可愛さもあった。当研究室が新たに取り組む特殊な遺伝子組み換えマウスのプロジェクトを、丁寧に進めてくれた。表現の豊かさと丁寧さは、実験ノートに刻まれ、今後も研究室に残る。


三田佳貴君は筋管細胞であるサテライト細胞の特徴解析で修士を、また内田沙綺さんはカルニチンが筋細胞の増殖・分化に及ぼす影響の解析で学士を取得した。二人とも実験量豊富でサービス精神旺盛な期待の星で、博士・修士へ進学後する。副専攻を終え卒研も当研究室で行う濱田夏帆さんを加えた3名は、新メンバーでスタートする研究室を牽引してくれるはず。
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本研究室から旅立つみなへ贈る言葉は、授けた藤井・眞鍋・古市ラボのCertificationにある一文に集約されます。
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「君たちが本研究室のメンバーであることは、わたしたちの誇りです」


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by Fujii-group | 2018-04-06 19:17 | メンバーの日記 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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