伊藤美由紀さんは、多くのネガティヴ・データの中から、誰も気づかなかった新現象を発見しました。伊藤さんの行動力と忍耐力には、「それだけやったのなら、必ず見つかる」という迫力があって、かつ、それらの緊張を緩衝する笑顔が備わっていた。
片倉健吾君は、決して弱音を吐かなかった。常識はずれの莫大な量の実験も、「やれます」の一言でやり通した。研究室の方向性を決める重要な課題を自力で進化させ、ラボのみなに勇気を与える結果を出し続けてくれました。
田村晃太郎君は、東京大学から進学してくれて、研究室に新たな探求領域を切り開いてくれました。その結果はいち早く論文になる見通しです(他の修了生の研究成果も、順次、論文になる)。一度陥った、当該研究の価値を否定しかねない状況(わたしの浅はかさによる)を、エッジの効いた研究能力と天性の優しさで回復してくれた。
宮田楓さんは、東京医科歯科大学から特別研究生として来てくれて、本研究室の懸案となっていた重要なスクリーニングを丁寧に進めてくれました。限定された時間を、本研究室のアクティヴィティに全力で費やしてくれました。みなに好かれた理由が、確かにあった。
加えて、これまで本研究室を支えてきてくれた井上(後藤)菜穂子・特任助教が、日本大学・生物資源科学部へ請われて異動されます。本研究室としては大きな痛手ですが、井上さんと日本(世界)の研究の発展には、必要な事と自分を納得させていいます。井上さんと出会えなければ、わたし自身が決して踏み入ることのできなかった研究領域がありました。それを与えてくれた井上さんへの感謝は、言葉では表せることが出来ず、今後の付き合いで徐々に返そうと思っています。本研究室のスタッフとしてランド・マーク的な活躍をしてくれたことに、時間を共有したラボの誰もが、感謝しています。
本研究室から旅立つみなへ贈る言葉は、授けた藤井・眞鍋・古市ラボのCertificationにある一文に集約されます。
「君たちが本研究室のメンバーであることは、わたしたちの誇りです」