M武君JCのまとめ

Loss of the Inducible Hsp70 Delays the Inflammatory Response to Skeletal Muscle Injury and Severely Impairs Muscle Regeneration.
Senf SM, Howard TM, Ahn B, Ferreira LF, Judge AR (2013) PLoS ONE 8(4): e62687.

損傷からの骨格筋再生は一過性の骨格筋の炎症、ネクローシスによる細胞片の除去、筋産生を通してダメージを受けた筋線維が置き換わることといった一連の事象が高度に統合されたプロセスである。しかし、これらのイベントを調節する分子メカニズムの解明はまだ始まったばかりである。本研究で我々はHeat shock protein 70 (Hsp70) が損傷に続いて増加し、またcardiotoxinによる重度の損傷や生理的な損傷に続く一連の事象が正常に起こることに必要であることを明らかにした。実際、Hsp70 KO mouseではcardiotoxinによる筋損傷に対する炎症反応が遅延し、損傷24時間後では好中球とマクロファージのマーカーは共にほとんど検出されなかった。Hsp70 KO mouse では損傷後数週間筋の炎症やネクローシス、カルシウムの蓄積、悪化した筋線維の再生が続いた。Hsp70 KO mouseの筋にHsp70発現プラスミドを損傷前・損傷後それぞれに導入することによるレスキュー実験では、それぞれにおいて筋再生が促進された。また、損傷開始時に損傷筋の細胞外微小環境にHsp70タンパクを注入するレスキュー実験から、ダメージを受けた筋から放出されるHsp70は損傷に対する早期の炎症反応を促進する可能性があることが明らかになった。重要なことに、関節の固定によって筋に一定期間負荷がかからないようにした後、再負荷をかけることによって生理的な損傷を生じさせる実験で、再負荷3日後においてHsp70 KO mouseではWTと比較して筋の炎症が減少した。このことはその後Hsp70 KO mouseで筋線維が保存されたこと(再生過程の線維が少ない)や筋発揮張力の増加に繋がったと考えられる。以上の結果から、筋損傷の性質や程度に応じて細胞内・細胞外のHsp70をターゲットとするような治療法が筋組織の保存や筋機能の回復に有効かもしれない。
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by Fujii-group | 2013-06-26 20:30 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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