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研究内容

Labの特殊技術

研究室も二年目に入り、少しずつ研究も前に進み始めております。ラボのホームページにも載せておりますが、わがラボには、他のラボにはないであろう・・・という特殊技術がいくつかあります。
本日はその中の一つ「骨格筋を用いたグルコーストランスポートのシステム」を紹介したいと思います。簡単に言うと、骨格筋を試験管内である一定時間培養し、どのくらいの糖を取り込んだか?を測定する方法です。
では、どのような実験にもちいるのでしょうか?
Labの特殊技術_b0136535_12324080.jpg


骨格筋は、インスリンや運動による筋収縮に応じて、糖を取り込む能力があります。つまり、食事後一時的に上がった血糖はインスリンの作用より糖を筋肉に捨てることで、我々の血糖は一定に保たれ、健康でいられるのです。しかしII型糖尿病の患者さんでは筋がインスリンに反応しにくくなっているため、筋の糖の取り込み能力が減少し、つねに血糖値が上昇している状態になります。
研究者たちは、この状況をなんとか科学的に解決することができないか?と様々な実験を行います。
(1)インスリン以外で糖の取り込み能力を高める薬はないか?→いくつかの候補物質を試験管内に入れ筋肉と共存させ、一定時間内に取り込まれた糖を測定。
(2)インスリンの作用を増強させるものはないか?→インスリンと候補物質と筋を試験管内にいれ一定時間内に取り込まれた糖を測定。
(3)糖尿病などでインスリンによる糖取り込みが減少した筋で運動によってインスリンの感受性がよくなるか?→試験管内で筋を運動させ(収縮させる)、インスリンによる効果を検討する・・
など、様々な実験に使用できます。

実験系としては簡単そうに見えますが、筋の取り出しに高い技術を要し、また培養の機器セットアップに非常に、時間がかかります。文章にするととても、単純そうな実験でもその裏には、とても大きな努力があります。
by fujii-group | 2009-05-09 12:37 | 研究内容 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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