卒業研究発表会 (I上)

B4のI上です。少し時間がたってしまいましたが、卒業研究発表会のご報告です。
先月の半ば、私たち4年生にとっては一番の大きなイベント、卒業研究発表会がありました。発表時間10分、質疑応答5分、合計15分の中で、1年間の研究の成果を発表するという催しです。
発表会までの数週間は、自分の出してきたデータや、先輩方の先行研究結果などとにらめっこしながら、発表用の資料を作り続けました。いくら調べてもわからないところは出てくるし、何度修正してもわかりづらい部分は直らないし、心が折れてしまいそうになることも多々ありました。私だけでなく、同期のK宮くんもH口くんも、同じように大変な思いをしたものと思います。
そんな中、先生方や先輩方には忙しい合間をぬって、何度も発表の練習を見ていただきました。また、パワーポイントのスライド1枚1枚を丁寧に確認していただき、たくさんのアドバイスを貰いました。おかげさまで最終的には、最初に作ったプレゼン資料とは比べものにならないほど、わかりやすく充実したスライドを作製することができました。B4の3人全員、ラボの皆様のご助力に非常に感謝しています。

さて、発表の本番の様子について書こうと思うのですが、実は私は、自分が発表の場でどんなことをしゃべったのかよく覚えていません。順番を待っている間はとても緊張していたのですが、いざステージに立ったら思った以上に冷静に話すことができたな、ということ印象だけは覚えています。それから、原稿をもう少し改良できたのではないか、という反省もありました。それ以外は本当に記憶のかなたです(ごめんなさい…)。
K宮くんは練習通りの落ち着いた口調で、安定感のある発表を見せてくれました。H口くんは原稿をほとんど暗記していて、初めて聞く人には少し難しいであろうテーマを、とてもわかりやすく話していました。2人とも直前に行った練習よりもスライドがさらに良くなっていて、ギリギリまで頑張っていたことがうかがえました。
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最後に、発表後に私のスライドの前で撮った記念写真です。私とK宮くんはマウスのポーズ(手でマウスの耳を表現)、真ん中のH口くんは筋繊維のポーズ(全身で筋の繊維を表している?)をしています。
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なにはともあれ無事に発表会が終わって良かったです。発表の練習に付き合ってくださった皆様、本番を見に来てくださった皆様、本当にありがとうございました!


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# by Fujii-group | 2017-03-10 18:49 | メンバーの日記 | Comments(0)

JCまとめ(井上)

Cell. Mol. Life Sci.  DOI 10.1007/s00018-016-2445-1
Received: 26 August 2016/Revised: 2 December 2016/Accepted: 19 December
Retinoic acid maintains human skeletal muscle progenitor cells in an immature state
M El Haddad et al.

この論文は、ヒト筋前駆細胞にレチノイン酸(RA)を添加すると分化が起こらず、未熟状態を保つという内容です。RAシグナル伝達経路の活性化が筋芽細胞の分化および分化転換を防ぎ、未成熟細胞特有遺伝子の発現を増進することが示されています。

初代ヒト筋芽細胞を用いて、培地にRAを添加して分化させたところ、10-6MのRAで細胞の分化が完全に阻害されることがわかりました。また、RAをウォッシュすると筋芽細胞が分化に進むことから、RAによる分化阻害は可逆的です。

ヒト筋芽細胞にレチノイン酸レセプター(RAR)とレチノイドXレセプター(RXR)のアンタゴニストを添加して分化誘導したところ、RARアンタゴニストを加えたものでは、RA添加による分化阻害と同等の結果が得られました。この結果から、RAがRAR活性化を介して筋芽細胞分化を阻害しているのではないか、と筆者らは考えています。
また、ヒト筋芽細胞にRARインバースアゴニストであるBMS493を添加したところ、分化の促進が見られました。さらに、siRNAを用いて、RARの3つのアイソフォームであるRARα、RARβ、RARγをノックダウンさせたところ、RARβとRARγをノックダウンさせた筋芽細胞で分化の促進が見られました。これらの結果から、RARはヒト筋芽細胞の分化を負に調節していると考えられます。

ヒト筋芽細胞にRAを添加すると、MYOD遺伝子ファミリーの発現を阻害しますが、PAX7およびPAX3の発現を維持させます。休止期と活性期のマウスサテライト細胞の発現遺伝子を比較したところ、Pax3・Pax7、またRA生合成に関与する全ての遺伝子の発現レベルは、休止期で有意に高くなりました。これらの結果は、RAシグナリングが休止期のサテライト細胞でより活性化していることを示しています。
ヒト筋芽細胞において、siRNAを用いてMYODをノックダウンし、筋原性遺伝子の発現を解析しました。ノックダウンした細胞ではMyf5、PAX7、PAX3のmRNAが大幅に増加したのに対し、MyoDの非常に強力な減少を示しました。これらの結果は、MYODの不活性化がヒト筋芽細胞を、より未成熟にすることを示します。

結論として筆者らは、RAはヒト筋芽細胞の分化を阻害し、未熟期を保つことを示唆しました。そして筆者らは、RAによる分化の阻害は、RAがMYODファミリー遺伝子の発現を阻害した結果であると考えているようです。また、筋肉細胞におけるRARβとRARγが、RARαとは異なる生物学的機能を有することが示唆されています。
全体としてこれらの結果は、筋芽細胞にRAを添加して培養することで、筋芽細胞を移植した際に、移植細胞のコロニー形成率を増加させる可能性があることを示唆しています。


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# by Fujii-group | 2017-03-02 18:15 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

バレンタイン N村日記

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バレンタインが近づく頃…
それは同時に、眞鍋先生からの愛のこもった試練の近づきを意味する…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先日、眞鍋先生からバレンタインのお菓子をいただきました。
中身はブラウニーセット。
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そう、知る人ぞ知る、異なる包装紙に包まれたお菓子の値段、好みの順位をつけ、それぞれの購入場所を当てるゲームです‼︎

今回はブラウニー。これまでにもクッキーなどで価格当てや、候補の中の★☆眞鍋先生お手製のお菓子当て☆★が藤井研では行われてきました。
さて、候補たちの登場です。

A. 縦線の包み紙(写真左手前)
B. アルミホイル(写真右手前)
C. 水玉の包み紙(写真右奥)
D. アルファベットの包み紙(写真左奥)

購入場所は、
・デパートに出店しているお菓子やさん
・路面店舗のお菓子やさん
・ショッピングモールやスーパーに出店しているお店
・ショッピングモールやスーパー

さぁ、値段の順位、どれがどこで買ったものか予想しましたか⁇(結果は予想してからご覧ください)

(結果)
(包み紙、 値段の高い順、 購入場所)
A. 縦線の包み紙、 2位、 デパートに出店しているお菓子やさん
B. アルミホイル、 4位、 ショッピングモールやスーパーに出店しているお店
C. 水玉の包み紙、 1位、 路面店舗のお菓子やさん
D. アルファベットの包み紙 、 3位、 スーパー

Aはベルギーに本店のあるWというお店のものでした!大きなナッツが入って、甘さ控えめ。こちらを眞鍋先生のお手製と間違える人が多発しました‼︎私はミルクティーを飲みながら吟味しましたが、これが最もミルクティーに合いました^ ^

Bは輸入食品を扱っているKで買われたPショコラ。M田さんには油分が強すぎて、好みに合わなかったそうです。

CはC菓子店のT京ブラウニー。「切り口がまっすぐなので既製品」という声も聞かれました。

Dは某スーパーの濃厚チョコブラウニー。ということでしたが、本当はスーパーでブラウニーの材料を買って作られた眞鍋先生のお手製でした!!!食べた感想で「小技が効いている」とF井先生。考えすぎてしまった結果、「立ち位置が難しい」と感想してしまう人もいました。


価格、購入場所の順位づけの中で完全に合致したのは、

「古市先生」 の 「価格」

でした!
皆さんは正解出来ましたか⁇

最後になりましたが、眞鍋先生、美味しいブラウニーをありがとうございました!


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# by Fujii-group | 2017-02-24 19:36 | メンバーの日記 | Comments(0)

節分

日本海側では大雪で大変な事になっておりますが、暦の上では春になりました。

節分とは冬と春を分ける季節の変わり目の日。先日、私たちのラボでも節分祭 を行いました。鬼は払われ、福は招き入れられました。
今年も安泰です。
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# by Fujii-group | 2017-02-16 19:05 | メンバーの日記 | Comments(0)

JCまとめ(T橋)

2017, Nature Communications 8, 14328
Pten is necessary for the quiescence and maintenance of adult muscle stem cells
Feng Yue, Pengpeng Bi, Chao Wang, et al.

 今回の論文はPtenがサテライト細胞の休止状態の維持に必要であるという内容です。サテライト細胞は骨格筋の組織幹細胞であり、骨格筋の再生で中心的な役割を果たします。サテライト細胞による骨格筋の再生は内的・外的な様々な因子によって制御されていることが知られています。先行研究では、Ptenが神経幹細胞や造血幹細胞の自己複製や分化を制御することが示されました。そこで著者らは骨格筋の再生を制御する新たな因子の候補としてPtenに着目しました。PtenはインスリンシグナルにおいてPIP3を脱リン酸化する酵素でありAktのリン酸化を負に制御します。

 サテライト細胞でのPtenの発現を調べたところ、休止期または活性化したサテライト細胞にのみ発現していることが分かりました。骨格筋再生におけるPtenの機能を明らかにするために、著者らはサテライト細胞特異的にPtenをKOしたマウスを作製し表現型解析を行いました。結果、PtenKOマウスでは休止期サテライト細胞数が減少しており骨格筋の再生能力が低下していることが明らかとなりました。これは、PtenをKOしたことによってサテライト細胞が休止性を失い分化に進行したためです。

 続いて著者らはPtenによる休止期サテライト細胞数の減少がどのようなメカニズムを起こっているのか調べました。PtenをKOするとAktのリン酸化が上昇することから、著者らはまずAkt-mTORシグナルに着目しました。PtenKOマウスではAkt-mTORシグナルが活性化していましたが、mTORの活性を阻害してもPtenKOによるサテライト細胞の減少はレスキューされませんでした。このことから、Akt-mTORシグナルはサテライト細胞数の減少に関与していないことが分かりました。

 次に著者らはAkt-FOXO1-Notchシグナルに着目しました。PtenをKOするとFOXO1の細胞質移行が促進されており、Notchの標的遺伝子の転写が抑制されていることが分かりました。さらにFOXO1はNotch受容体の細胞内ドメイン(NICD)と結合するタンパク質であるRBPJkと結合し、Notchの標的遺伝子の転写を制御していることが分かりました。そこでNotchの活性をレスキューすると、PtenKOによるサテライト細胞の減少が抑えられ、休止期サテライト細胞の数が野生型と同じレベルまでレスキューされました。しかし、骨格筋の再生能力はレスキューされませんでした。これはNotchシグナルを活性化したことによって自己複製が促進され分化が阻害されたためだと考えられます。最後に著者らはPtenとNotchシグナルの間には様々なシグナル経路のクロストークが存在し、骨格筋の再生を制御するとまとめています。


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# by Fujii-group | 2017-02-15 11:01 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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