実験医学6月号


羊土社 実験医学の6月号は、藤井教授が企画された骨格筋がトピックです066.gif

最近、代謝に骨格筋が重要であることが注目されるようになってきてはいますが、まだまだ、マイナーな臓器です。そんな骨格筋が実験医学のトピックになるのも20数年ぶりとか・・・・。

企画にもかなり気合が入っておりますので、ご興味をもたれた方は是非、ご一読ください。

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by Fujii-group | 2014-05-20 18:46 | お知らせ | Comments(0)

I藤さんのJCまとめ

Three-dimensional neuronemuscle constructs with neuromuscularjunction

Yuya Morimoto, Midori Kato-Negishi, Hiroaki Onoe, Shoji Takeuchi

Biomaterials 34 (2013) 9413-9419


 骨格筋の収縮は、運動神経から放出される神経伝達物質により制御される。運動神経終末-骨格筋の間で形成された神経筋接合部(neuromuscular
junction:NMJ)において、神経終末から放出される神経伝達物質・アセチルコリンが骨格筋のアセチルコリン受容体(acetylcholine
receptors :AChR)に結合すると筋収縮が生じることが知られている。また近年、筋萎縮性脊索硬化症や重症筋無力症などの新薬開発の分野で、NMJをin
vitroで再現する研究が注目を浴びている。
 しかしながら、先行研究では(1)運動神経と筋細胞を共培養した二次元培養系はin
vivoでの筋の性質を必ずしも反映しない、(2)三次元培養系では運動神経と筋細胞との接着が不十分でNMJの形成に至らない、と報告されている。著者らはこれらの問題点を解決し、NMJを保持した新たな三次元培養法を検討している。

 はじめに著者らは、PMDSで作成した基底膜と、縞状のくぼみを付けたスタンプを用いて培養骨格筋細胞株C2C12の3D培養を行った。スタンプに付けるくぼみの幅を検討した結果、くぼみの幅が狭い(500μm)ほど、筋管細胞は多核となり、方向性を持って整列し、発揮張力が大きくなることが示された。
 次に、マウス神経幹細胞から作製したneurosphereを3D培養した筋管細胞上で分化誘導させ、神経細胞とC2C12の共培養を試みた。その結果、neurosphereと骨格筋細胞を強く接着させることに成功し、neurosphereは運動神経へと分化したことが確認できた。また、NMJ形成の指標である骨格筋細胞におけるAChRの集積が観察された。したがって、目的としていたNMJを保持した神経-筋の三次元培養に成功したと言える。
 最後に、作製した神経―筋構造物を用いて、運動神経由来の神経伝達物質によって筋収縮が制御されるかを調べた。グルタミン酸刺激により運動神経を興奮させた結果、周囲の細胞と同調し、自発収縮に比べ激しい筋収縮が観察された。また、NMJのアゴニストであるクラーレ処理を行うと、その収縮停止した。この結果から、神経―筋構造物の収縮が神経伝達物質により制御できることが示唆された。

 以上の結果から、NMJを保持した神経-筋三次元培養法の確立に成功したと、著者らは主張している。また、今回の研究で構築した構造物は、神経変性疾患により生じるNMJの変化を理解するための、新たな研究モデルとして応用できると考えられる。
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by Fujii-group | 2014-05-14 08:18 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

T村君のJCのまとめ

Substrate Elasticity Regulates Skeletal Muscle Stem Cell Self-Renewal in Culture

P. M. Gilbert, K. L. Havenstrite, K. E. G. Magnusson, A. Sacco, N. A. Leonardi, P. Kraft, N. K. Nguyen, S. Thrun, M. P. Lutolf, H. M. Blau

Science 329, 1078 (2010)

今回のジャーナルクラブでは、細胞培養におけるディッシュの固さを考慮すべき重要性についていろいろ参考になると思い、少し古めの報告ですがこの論文を紹介しました。

<背景>
 幹細胞は通常、成熟細胞の中に未分化の状態で存在していますが、培養することで急激に幹細胞としての形質(自己複製能や組織再生能など)が失われてしまうことが知られています。これは骨格筋の幹細胞である筋サテライト細胞(以下では論文上の表記muscle stem cells; MuSCs に習います)においても例外ではありません。著者らのグループは、単離したMuSCsを、放射線照射により筋を損傷させた別のマウスに移植して筋再生を評価する実験系を2007年に報告していましたが、単離後すぐのMuSCsを移植した場合に比べ、1週間程度培養したMuSCsでは移植率が大幅に低下することが問題となっていました。
 そこで培養時の状態を骨格筋内の環境になるべく近づけることで、これらの問題を解決できるのではないかと考えます。すなわち、培養時のディッシュの固さに注目し、通常の細胞培養に用いられているポリスチレン製のディッシュ(ヤング率10^6kPa)よりもやわらかいハイドロゲル(12kPa, 筋肉の弾性相当)上で培養した際のMuSCsの幹細胞としての形質を検討しました。

<論文の内容>
 ハイドロゲルとポリスチレン上で単離してきたMuSCsを1週間培養したところ、ポリスチレンに対しハイドロゲル上では細胞数が2倍多く、Myogeninの発現量が半分以下に減少していました。また、シングルセルトラッキングシステムを用いて培養中の細胞移動や細胞分裂の様子を定量的に観察した結果も踏まえると、ハイドロゲル上で見られた増殖能の亢進は細胞の生存率向上と分化の抑制によるものであることがわかりました。また、ハイドロゲル上で培養すると、自己複製(self-renewal)するMuSCsの割合が多いことも明らかになりました。
 次に単離してきたMuSCsをさまざまな弾性のハイドロゲルで1週間培養した後に、別のマウスに移植してその後の筋再生能を比較したところ、やはり骨格筋相当の弾性12kPaのハイドロゲルで培養したMuSCsが最も良いことが確認されました。また、骨格筋切片の免疫染色の結果から、移植したMuSCsがニッチ(骨格筋では、基底膜と筋繊維の間)に保持されていることも確認されました。
 しかしながら、単離してきたMuSCsをすぐに移植した場合と比べると、12kPaのハイドロゲル上で1週間培養後に移植した場合では、その後の筋再生の効率は未だ約100倍程度劣ることから、培養時の基層の固さ以外にもMuSCsの幹細胞としての形質を左右する要素があると考えられます。

<まとめ>
 本研究により、生理的な細胞外環境の「固さ」を再現することで、筋サテライト細胞の増殖が可能であり、筋萎縮症の治療のための細胞ベースの方法論の構築に重要な知見を提供することができたと著者らは主張しています。幹細胞の細胞外環境を考慮することは、幹細胞の運命決定を理解するためだけでなく、近年非常に注目されている再生医療の分野においても重要な技術的要素の1つであることを再認識しました。
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by Fujii-group | 2014-05-13 08:55 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

本年度も、京都大学で分子骨格筋代謝研究会が開催されます。
参加費は無料ですので、ご興味がある方は、ご出席ください。

開催は以下のとおり。

日時: 平成26年5月18日(日) 13時開始 18時20分終了予定
場所: 京都大学吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟地階 大講義室
幹事: 林 達也(京都大学)・桧垣靖樹(福岡大学)・川中健太郎(新潟医療福祉大学)・藤井宣晴(首都大
学東京)
事務局: 京都大学大学院人間・環境学研究科 認知・行動科学講座 林 達也
〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町 TEL・FAX:075-753-6640
Email: tatsuya@kuhp.kyoto-u.ac.jp

詳細プログラムはこちら
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by Fujii-group | 2014-05-10 15:36 | お知らせ | Comments(0)

はじめまして、今年度から副専攻の特別研究で藤井研にお世話になることになりました、生命科学コース3年の青木と申します。よろしくお願い致します。

初めて藤井先生の授業を受講し、その初回で「絶対にここの研究室に入る!」と決めてから早2年…やっと憧れの藤井研に入ることができ、心から嬉しく思います!

現在はK倉さんのもと、ショウジョウバエを使ったマイオカインの機能スクリーニングの研究をして(教えてもらって)います。まだまだ分からないことばかりですが、新たなことにたくさん出会えたり挑戦できたりするのはとても楽しいです。頑張りたいと思います!

さて、私事ですが、私は中学・高校と吹奏楽をやっており、音楽が大好きです。聴くことも演奏することも好きです。また、現在は体育会ソフトテニス部にマネージャーとして所属しており、「筋肉フェチ」で有名です。プレイヤーに故障が起きたときには、筋肉の仕組みから説明し、完治に向けて全力のアドバイスとテーピングをします。
加えて、趣味と言えるかは分かりませんが、お酒を飲むことが好きです。暇があればビールを飲みたいと口にしています。最近はお酒に弱くなっているため非常にコスパがよくなっております。早くラボのみなさんとも飲んでみたいと思っていますので、ぜひ誘ってください!

これから1年間、よろしくお願いします!
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by Fujii-group | 2014-05-03 08:50 | メンバー紹介 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々
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