教授からの送る言葉

研究室発足以来、6年の年月が流れ、見事に成長した学生たちを社会に送り出せるようになりました。本年度は5名もの学生が卒業・修了し、研究室から旅立ちます。これまで最も多く、その分、送り出す方は嬉しくも複雑な思いです。

学部卒業の青木美穂さん、佐藤帆浪さん、茂田井文香さん。
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修士修了の稲垣晶子さん。
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博士修了の宮武正太君。
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本当におめでとう。学部は12-15人目、修士は6人目、博士はついに初の卒業・修了です。君たちが当研究室のメンバーであることを誇りに思います。

わたしが博士号を取得し研究室を去る際は不安でした。それまでの学会や論文発表などは、指導教員の池上晴夫博士のフィルターを通ってから世に発信されていたので、間違っているのでは?、恥ずかしい内容では?、などの思いは全くありませんでした(池上博士を納得させるのにものすごく苦労しましたが)。しかし、修了後は自分で責任を持ってやっていかなくてはならない、と自覚したときに、膝に力が入らずガクガクするような大きな不安。そんな自分を奮い立たせる思いも込めて、最後の研究室だより(現在のブログにあたる?)に書いた文章を、20年ぶりに掘り返し、皆に贈ります。読み返すと青臭い文章ですが、あの頃の思いが率直に出ていて、君たちへのエールに相応しいとも思います。

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喜の爆発

藤井 宣晴

高校3年の夏、甲子園への夢をかけた最後の大会での2回戦。僕らは9回表にそれまでの3点のリードをひっくり返され、一気に窮地に追い込まれた。その裏の最後の攻撃も2アウト。しかしこの土壇場から、僕らは見事な逆転サヨナラ劇を演じた。この時、僕の心の中で“喜怒哀楽”の“喜”が爆発した。

喜が爆発するとは、説明するのは難しいのだが、感情の中の“喜”の部分が弾け飛んで、「おれはやったぜ!」と所かまわず叫ばずにはいられなくなる感じのことである。できれば何度も経験したい感情・感覚なのだが、これまで喜が爆発したのは上記の1回きりである。嬉しいことや楽しいことはたくさんあったけれど、喜の爆発という特別な感情はそう簡単には味わえないようだ。僕が思うに、(1). 自分の意志で決めた目標があり、(2). それを達成するために真剣に取り組み、(3). みごと結果を出せた場合に、初めて得られる感情である。例えば、道でアルマーニのスーツを拾ったらポケットに1億円の宝クジが入っていたとする。これ以上ないくらいの幸運ではあるが、むこうから勝手に飛び込んでくる幸運では (1)、(2) の条件を満たさないので、喜は爆発しない。喜の爆発には、「どうせ自分には無理」という気持ちをむりやり押さえ込み、徹底した真剣さで目標達成に取り組んだ ... というヒストリーが必要なのだ。(3) も重要だ。6年前、我が野球部は国立大学初の日本一という快挙を成し遂げたが、シーズン途中にベンチ入りメンバーから外れてしまった僕は、優勝が決まった瞬間、嬉しさと同時に、神宮球場の人口芝の上にいない自分への情けなさと怒りをも感じていた。日本一は非常に嬉しかったのだが、選手としてプレーできなかった、つまり (3) の条件が整わなかったことで、喜は爆発に至らなかった。

一生のうちに喜が爆発することは、そう何度もないと思う。人によっては一度もないかもしれない。「これまでに一番嬉しかったことは?」という問には、皆、何かしら答えを持っているだろうが、その一番が必ずしも喜の爆発したものとは限らないのである。僕の経験した喜の爆発は地区予選程度で起こったものだから、まだ小爆発でしかなかったかもしれない。甲子園に行っていたらもっと大きな爆発が起こっていただろう。ということは、これまで経験したこともない嬉しさの感情が、まだ僕の中に眠っていることになる。これを経験しないで一生を終える手はない。甲子園を目指すことで喜を爆発させるチャンスはもうないから、これからは仕事の場でそれにトライすることになる。池上研での7年間は、将来の大爆発のための下積み期間であった。自分の能力を考えると研究で喜を爆発させるのは非常に難しいと思うのだが、そんな僕に導火線への火の付け方を、7年もの間、我慢強く丁寧に教えてくださった池上先生に、心から感謝したい。

ある物理学者の自伝を読んだ。「その夜、自分の理論が、これまで収拾のつかなかった実験データを全てうまく説明することに気がついた。新しい自然法則を発見したのだ。今この瞬間、誰も知らない自然の秘密を世界中で自分だけが握っている!。その嬉しさといったら!!」。もしこんな仕事ができたなら、僕はアルキメデスのように裸で通りを駆けて、池上先生へ報告に行くだろう。そんな僕の姿を見て、先生は喜んでくれるだろうか。(きっとあきれる)
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by Fujii-group | 2014-03-22 14:07 | 研究以外の日々 | Comments(0)

卒業・修了

昨日は首都大学東京の卒業・修了式でした。
私たちのラボからは、博士 1名、修士1名、学士3名が旅立って行きました。
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皆の将来が、輝かしいものになりますように!また、ラボに遊びに来てください。
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by Fujii-group | 2014-03-21 13:57 | 研究以外の日々 | Comments(0)

信じられない・・・

東京の西端、八王子にもようやく昨日から春が来て暖かくなりました。

しかし、信じられないかもしれませんが大学の日陰のところでは、まだ先月の大雪の影響が残っております。
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今週の雨でなくなるかもしれませんが、一ヶ月近くも雪が残っているなんて、信じられませんね。
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by Fujii-group | 2014-03-13 08:31 | 研究以外の日々 | Comments(0)

先週末は全学的な停電でした。

実験室にはオフにするわけにはいかない電気機器がたくさんあります。そんな実験室を守ってくれたのが、この2大の発電機。

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毎年お世話になっている、頼もしい奴らです。

ちなみに、停電なことを忘れて日曜日に大学にやって来て、電子ロックされたオフィスに入ることさえできずにあきらめて帰っていた、わけでは決してありません。
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by Fujii-group | 2014-03-10 19:41 | 研究以外の日々 | Comments(0)