F市さんの日記

F市です。
10ヶ月の娘が、最近つかまり立ちを始めました。
言葉も発するようになり、「パパ」の前に「ママ」をマスターしたようです。敗北。
ぐんぐん成長する娘ですが、育児はその分大変になってきています。
入浴は僕が担当で、毎日19時に帰宅して一緒に風呂に入ることになっています。
今日はA木さんがくれた「培地風入浴剤」を入れてみました。pHは7.6くらいでした。
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このような生活のため、僕はラボでの時間はなるべく実験に費やすようにして、娘を寝かしつけてから夜にデスクワークを再開します。

そんなイクメンポスドクに必須のツールが「クラウド」です。
ラボのパソコンと自宅のパソコンを同期させ、ラボでの仕事をスムーズに自宅で引き継いでいます。
今回は僕のクラウド研究法を紹介します。

1.使用環境・アプリ
僕はMacが好きで、ラボでiMac、自宅でmacbook proを使っています。携帯もiPhoneで、このあと出てくるソフトも全て携帯で使えるようにしています。
ネットブラウザはGoogle Chrome。検索履歴やブックマークもクラウドで繋がっていますので、昼見たサイトが夜もすぐ見つかります。メールはChrome上でGmailを使っています。MacのMailが好きだったのですが、クラウドを使う上ではやはりGmailが便利です。Mailではメールを丁寧に整理していましたが、Gmailでは基本的に全てアーカイブして必要なときに検索するため、整理の時間が要りません。迷惑メールやプロモーションメールはかなりの精度でフィルタリングしてくれますので、メールを利用する時間が節約されます。
絶対に必要なのは、おなじみEvernoteとDropbox。これらについては省略しますが、Evernoteはプレミアム会員に登録しています。

2.文献管理
文献を整理したり読んだり、また、論文を執筆する上では必ず文献管理ソフトが必要となります。僕は学生時代、○ndNoteを使っていました。原稿論文のReferenceの作成にはとても便利でしたが、やはり高価で、意外と使いづらい印象がありました(僕はX3までしか使っていませんので、その後はきっと改善されていると思います)。
僕がオススメするのはMendeleyです。文献管理の他に、MS wordとリンクさせてReferenceを作成することも勿論できます。他のユーザーとGroupを作成し、シェアしたい(読んで欲しい)論文を共有することも可能です。そしてなんと無料。これはソフトがアップデートされても常に最新版を使えることを意味します。
また、インターフェースや操作が感覚的で、少なくともX3の○nd○oteより使いやすいと思います。文献をリストに入れるためには、PDFをMendeleyのアイコンにドラッグアンドドロップするだけ。または、Chromeに「Save to Mendeley」のブックマークバーを付けておけば、Pubmed等でも1クリックで文献リストに登録できます。PDFファイルをDropboxに入れておけば、どちらのパソコンでもMendeley上で閲覧できます。
その他諸々、いつかMendeleyの使い方も紹介したいと思います。

3.論文の記録、アイデアの記憶、その他メモ
外部記憶と呼ばれるEvernoteは、研究者にとって非常に強力な武器だと思います。アップデートされる度に、新しい機能が付いているようですが、正直僕はついていっていません。
僕のEvernoteの使い方はシンプルで、メインは以下のものです。
1)気になった論文の記憶。webで見た論文をクリップ(Evernoteにコピー)し、重要な部分をカラー表示などで目立たせる(プレミアムならPDFをまるごと入れられます)。そしてそのとき自分が考えたことを書き込む。
2)試薬・物品の記録。実験に使ったor使いたい機器や試薬、抗体は消耗品を含め、Evernoteに入れています。なるべく型番や価格なども記録されるようにして、次の注文時にスムーズになるようにします。
3)アイデアや研究の整理。頭の中を整理したり、思いついたアイデアを忘れないようにするため、Evernoteにメモするようにしています。Evernoteは検索力に優れているので、そのアイデアを思い出したいとき、ノートよりも素早く確実に見つけられます。
とにかく、気になったもの、いつか必要になるかも、という情報は全てEvernoteに入れておきます。研究だけではなく、生活の記録などにも一緒に使えます。MSファイル、写真、音声、なんでもOKなのが便利です。

4.データの整理
クラウドとは関係ない部分もありますが、スムーズに仕事を再開させるためにはデータの整理が大切です。僕は、原稿や実験シート、データ、フォルダのファイル名には、必ず数字6文字の日付を先につけます。2014年2月25日なら、140225です。そうすると、データは日付の順でキレイに並びますので、実験ノートからデータを探すときに便利です。以前のファイルに戻りたいとき、クラッシュしたときのため、日が変わって作業するときは必ずファイルを新しくします。またプロジェクトごとに色分けすると、見つけるのがより簡単になります。日付の後には、ハイフンに続けて内容が分かる単語を短めに入れます。C2C12のウエスタンの実験なら「140225-C2WB」という要領です。これらの文字は基本半角です。全角にすると誰かに送信したとき文字化けの恐れがあるからです。

細かいことを言い出すと切りがありませんが、簡単に僕のクラウド研究法を紹介しました。僕はこの方法で自宅とラボとの間、700mの距離を埋めています。わずか700mですが、されど700mです。
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by Fujii-group | 2014-02-27 08:56 | メンバーの日記 | Comments(0)

あれは年明け1月5日のこと。
昨年10月初めに投稿論文がレジェクトされたのだが、追加実験も思ったような結果が出ず未だ再投稿もできていない。
年末年始も休まず、誰もいない実験室で一人実験し、孤独と自己嫌悪に包まれながらとりあえず1日の作業をやり終えた私は、疲労でぼんやりとした頭で帰路に向かうため13号館の扉を開けた。

眼を疑った。
小さなクマのような動物が駐車場を挟んだ向かいの林にいる。
かなりでかい。体長1メートルぐらいか。
いや、クマではない。疲労でかすんだ眼をしごきそれがイノシシであるとわかるまで数秒かかった。
以前箱根に向かう夜の山道で子連れのイノシシに出会ったことはあるがその時は車だったので動物園の動物を眺める気分だった。やはり、同じ地面に立っている状態でしかも10メートルほどの至近距離での遭遇には、驚きと恐怖と興奮を覚えた。
しかも、大学構内で。
震える手で写真を何枚か撮ったがどれも手が震えていたせいかピントがずれている。
5分ほど観察した後、イノシシは林の奥へと消えていった・・・。
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研究以外では変化の乏しい私の大学院生活では割と印象的な出来事に入るのだが、やはり実験や論文執筆に追われる毎日でそんなこともすっかり忘れていた。
そんな頑張りもあってかそれから2週間ほどしてなんとか再投稿まで漕ぎつけた。
正直アクセプトされる自信は50%ほどしか持っていない。しかし、やれることは全部やったのでどう転んでも悔いはない。私が投稿したのは速報誌で、今までの研究室の履歴から考えるとまぁ10日ぐらいで返事が来るかなと思っていた。

予想外に投稿から1日で返事が来た。
しかも、アクセプト。
やった、やり遂げた。

私の学部の博士課程修了条件には筆頭著者の論文が国際誌に載ることが含まれる。
ところが私は前述のようにモタモタし続けたのでこれが3月に卒業するためのラストチャンスであった。すんなりとこんなにも早くアクセプトの通知が来てよかった。
もちろん論文が通ったのは、先生方のお力添えやその他様々な方々のご協力が何よりも大きいのだが、今思い返すとあのイノシシとの遭遇が最後の一押しをしてくれたように感じる。
自分の干支はイノシシだし。

そんな冗談はさておき、無事最終論文審査会も終了して3月に卒業できそうです。正直修士課程への入学当初はここまでやると思いませんでした。でも、博士課程に進んだ後悔はありません。藤井先生、眞鍋先生をはじめ沢山の方々にお世話になり、当研究室のドクター1号になれることをとても誇りに思います。皆様には心より御礼申し上げます。私の研究人生はまだ始まったばかりですが、研究のスタートをこの素晴らしい環境で始められたことがとても嬉しいです。

M武は4月よりカナダでポスドクとして働くため、しばらく日本を離れます。実験に明け暮れた寒い夜、イノシシと出会ったら私の化身と思って暖かく見守ってください。
論文が通ることは保証しませんが…。
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by Fujii-group | 2014-02-17 23:29 | メンバー紹介 | Comments(0)

M藤さんの日記

ブログを順にまわして、それぞれが記事をのせる・・・・ということにしていたのですが、ここ数ヶ月うまくいっておりませんでした。
最近、やたらとブログの更新が多いのは、ブログを順に回す機能が復活したためです。

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久々に日記当番が回ってきたので、自己紹介からさせていただきます。私は、老人保健施設というお年寄りにリハビリテーションを提供する施設で理学療法士(PT)として働きながら、研究をさせていただいています。基本的に、日中は働いて夜間に実験をするというスタイルです。現在は博士課程1年なのですが、藤井・眞鍋研究室には研究生と修士の期間を入れて約5年在籍しています。そろそろ、同業者の後輩が入って来ても良いのではないかと考えています。
 本研究室は、運動分子生物学研究室という名前の通り、運動を分子のレベルで科学するということが趣旨です。つまり、運動について深く掘り下げて考えていくということです。
 PTは生理学の分野に目が行きがちだと思いますが、その生理現象がどのような分子メカニズムで成り立っているのかを考えることもとても重要です。臨床に必ず結びつきます。なぜなら、PTが患者様に提供できるサービスのほとんどは運動だからです。その運動について深く掘り下げて考えることに越したことは無いからです。理想をいえば、「リハビリ=運動」を患者様に提供した時に骨格筋でどんなタンパク質が作られて、どのように作用しているのか。また、他の臓器ではどんなことが起こっているのか。それらの作用によってどんな生理現象が起きるのか。他動運動時は?自動運動時は?運動強度は?各疾患によってどう違うのかなど、全てを把握してリハビリを提供したい。そうすれば、自分は本当に正しいことをやっているのかと迷うことは少なくなるのではないでしょうか。
 とは言ったものの、それはまだまだ遠い話です。ただ、だからこそ研究をしようと考えています。それぞれ、色々な動機があると思いますが、もし研究に興味があれば分子生物学を勉強してみませんか。仕事をしながら研究をしたいという方は、今なら仕事も紹介できますよ。
 ちなみに自分が研究をやりたいと思った時は、研究の「け」の字も分かりませんでした。でも仕方無いですよね、PTの養成課程ではそんなこと教えてくれませんから。研究室に入る時、知識が無いとこを悩んで藤井先生に相談したことがあります、先生は「無ければこれから勉強すればいい」と言ってくれました。
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by Fujii-group | 2014-02-13 00:47 | メンバーの日記 | Comments(0)

M藤さんJCのまとめ

RNA-Guided Human Genome Engineering via Cas9

Prashant Mali,Luhan Yang,Kevin M. Esvelt,John Aach,Marc Guell, James E. DiCarlo,
Julie E. Norville, George M. Church
Science, 2013 Feb 15;339(6121):823-6

本論文では、細菌の免疫機構の一種として知られていたCRISPR/Casシステムを応用して、ヒトのゲノムが編集できることが述べられている。
 まず、typeⅡ CRISPR/Cas システムを働かせるために、2つのコンストラクトを作製した。1つは、CMVプロモーターの下流にヒトCas9蛋白の配列を組み込んだコンストラクト。もう1つは、U6ポリメラーゼⅢプロモーターの下流に目的の遺伝子配列を標的としたcrRNAとtracrRNAを融合させたguide RNA(gRNA)を組み込んだコンストラクトである。この、CRISPR/Casシステムでは、NGGというprotospacer-adjacent motif(PAM)の上流の20bpがCas9による切断の標的となるため、理論的にはGGがあればゲノムのいかなる部分も標的となる。
 この2つのコンストラクトをHEK293T細胞に発現させ、GFPレポーターを発現させるアッセイ系を作製した。HEK293T細胞には予めGFP遺伝子にAAVS1領域の68bp断片と終止コドンを挿入して遺伝子を破壊したコンストラクトを恒常的に発現させた。gRNAはAAVS1断片内のT1とT2を標的とするものを作製した。また、相同組み換え効率の比較のためにT1とT2に結合するTALENも作製した。結果、相同組み換え効率はTALEN0.37%、 Cas9+T1 gRNA3.26%、Cas9+T2gRNA8.07%であった。トランスフェクション後のGFP陽性細胞の出現時間はTALENが40時間、CRISPR/Casは20時間であった。
 次にHEK293T細胞、K562細胞、iPS細胞において、nativeのAAVS1領域をgRNA
で切断することによって起きる非相同末端結合の頻度を調べることで、遺伝子ノックアウトへの応用を試みた。結果、T1 gRNA、T2 gRNAを用いてnativeのAAVS1領域を切断した後の非相同末端結合の発生率は、HEK293T細胞で10%と25%、K562細胞で13%と38%、iPS細胞で2%と4%であった。また、T1 gRNAとT2 gRNAを同時に導入すると、その間の19bp断片の欠損を起こすことができた。この方法で多重ゲノム編集ができることが分かった。
 最後に、CRISPR/Casによる相同組み換えを用いて、DNAドナーをnativeのAAVS1領域に組み込むことを試みた。AAVS1遺伝子内にpuromycin耐性遺伝子とGFP遺伝子を組み込んだコンストラクトを作製し、CRISPR/Casによる騒動組み換えを用いて293T細胞またはiPS細胞のAAVS1領域に導入し、導入された細胞をpuromycin selectionを用いて選択した。結果、ゲノムとドナーの境界が正しくシークエンスされ、この細胞にGFPが正しく発現していることが確認できた。
 以上のように、目的のDNA配列に相同なgRNAを発現させるという方法によってゲノム編集が可能となったが、これはさまざまな用途に用いることができる。バイオインフォマティクスを用いて、約190,000種のgRNAで標的にできる配列を挙げたところ、これはヒトゲノムの遺伝子exonの約40.5%を標的にするものであった。
 CRISPR/Casを用いたゲノム編集は、確実かつ多重性に哺乳類ゲノムを編集できる方法として、非常に有用なものであると結論づけられている。
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by Fujii-group | 2014-02-06 19:57 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

I垣さんの日記

 最近、13号館付近でイノシシが目撃されています。「イノシシ出没注意」と注意喚起や張り紙がされてはいるものの、イノシシと遭遇してしまった場合、具体的にどう行動すれば良いか、あまり把握されていないと思います。
 そこで、今回はイノシシと出遭ってしまったときに取るべき行動についてまとめます。

1.落ち着いてゆっくり離れる・・・なるべく背中を見せず、ゆっくり後退してその場を離れましょう。走って逃げると、獲物とみなされ襲われます。
2.攻撃・威嚇しない・・・物を投げたり、声で脅かしたりすると、興奮して襲ってくる場合があります。
3.小さいイノシシでも近づかない・・・可愛いウリ坊が目に飛び込んできても、近くに母イノシシがいる可能性が高いので、近づいたり追いかけたりしないようにしましょう。
4.襲われそうになった場合・・・立木に登るなど、イノシシから見えない高い場所へ避難しましょう。イノシシは時速40km以上で走ることが可能なので、走って逃げ切るのは不可能です。ジャンプ傘を持っていれば、イノシシの目の前で勢いよく広げてみましょう。視界が遮られ、びっくりしたイノシシは逃げていきます。
※「猪突猛進」という言葉があり、イノシシは真っ直ぐにしか進めないイメージがありますが、急ブレーキや方向転換もできます。

 イノシシの発情期である冬は、攻撃的になっていることが多いです。イノシシのたてがみが逆立っていたり、牙でカチカチ音を出していたり、後ずさりしながら前足で地面をガリガリ擦ったりしているときは、威嚇行動なので、特に注意しましょう。
 
 私は首都大学東京に通って早6年が経とうとしていますが、イノシシにまだ遭遇していません・・・。ちょっと寂しいです。首都大の遭遇レア度の高い動物としては、イノシシ、タヌキ、ヘビが挙げられると思うのですが、私はヘビにしか遭っていません・・・。遠目でいいので、イノシシとタヌキを目撃してみたいものです。
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by Fujii-group | 2014-02-05 00:58 | メンバーの日記 | Comments(0)

論文アクセプト

博士後期過程3年の M武君の論文がアクセプトされました!。

Biochem Biophys Res Commun. 2014 Jan 25
"Macrophage migration inhibitory factor diminishes muscle glucose transport induced by insulin and AICAR in a muscle type-dependent manner."
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24472542

昨年の秋から、リジェクトされてもめげずに頑張った甲斐があり、リバイスもなくすぐアクセプト。これで、無事博士も修了も見えてきました。
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by Fujii-group | 2014-02-04 08:43 | 研究に関連する話 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々
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