富士山と登山

先日富士山が世界遺産に登録されました。富士山は標高3776mという高い山です。
最近は老若男女を問わず登山ブームのようで、富士山登山は人気を博しているようですが、登山に慣れていない人が弾丸登山を強行することへの注意喚起も多くなされているようです。

山では標高が高くなるにつれて酸素が低下していきます(正確には大気圧が減少します)。登山者におこる高山病は、酸素分圧が低くなることによる摂取酸素量の低下から人体に様々な影響が生じることによりおこります。つまり体が薄い空気に順応できずに酸欠状態になってしまい、様々な症状がでてくるのです。これは年齢に関係なく若い人でも起こること、人間年を取ると心肺機能が衰えていきますから、高齢者ではさらに注意が必要になってくることでしょう。

数ヶ月前、80歳でエベレストの登山を成し遂げた三浦雄一郎さんが日々新聞を賑わせておりました。80歳を超えると日々の歩行ですらも大変になってきますのに、健常者でも無理なエベレスト登山を80歳で成し遂げた人間の常識を覆すような偉業、これもひとえに日々、トレーニングをつづけ、筋力や心肺機能を高めていたことによるのでしょうか。

さて先日、朝日新聞の歌壇の欄にこのエピソードをたった31文字の短歌ですべてを説明した歌に出会いました。高齢であること、山の上の酸素の薄さ、そして登山の偉業について、私が何十文字も使って説明していることをたった31文字で。すごいなあと思ったら、なんと、F教授の恩師で運動生理学の著名な先生が作られたものでした。その発見がうれしかったとともに、単に研究で大成しただけでなく、歌人としての才能を発揮されていることに、ただただ感心するしかありませんでした。
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by Fujii-group | 2013-07-13 14:18 | 研究以外の日々 | Comments(0)

F市さんJCのまとめ

昨日のジャーナルクラブのまとめです。久々に面白い内容でした。皆さんも読みごたえのあるジャーナルに挑戦しましょう。
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A PGC-1α isoform induced by resistance training regulates skeletal muscle hypertrophy.

Ruas JL, White JP, Rao RR, Kleiner S, Brannan KT, Harrison BC, Greene NP, Wu J, Estall JL, Irving BA, Lanza IR, Rasbach KA, Okutsu M, Nair KS, Yan Z,Leinwand LA, Spiegelman BM.

Cell. 2012 Dec 7;151(6):1319-31.

PGC-1αは運動によって誘導される転写因子コファクターであり、持久的運動によって変化する遺伝子群の発現を制御する一方、レジスタンストレーニングに伴う筋肥大に対しては影響がないと考えられていた。本研究では、近年発見されたPGC-1αのアイソフォーム(α2, α3)の他に新規アイソフォームPGC-1α4を同定した。PGC-1α4はα1とは別の上流のalternative promoterを使用するが、α2, α3とは異なる選択的スプライシングを受ける。骨格筋のPGC-1α4の発現はやはり運動によって高まるものの、PGC-1α1によって誘導される標的遺伝子群(酸化的リン酸化など)の発現に影響を及ぼさなかった。そのかわり、筋肥大の促進因子であるIGF1の発現が増加、抑制因子であるMyostatinの発現が減少し、PGC-1α4は筋肥大に寄与することが分かった。実際に、骨格筋特異的なPGC-1α4の発現増加は、筋サイズおよび筋力の向上を引き起こした。また、ヒトのレジスタンストレーニングはPGC-1α4の発現を増加させた。以上の結果から、レジスタンストレーニングによって誘導される新規PGC-1αアイソフォームは、筋肥大を調節する因子であることが明らかとなった。
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by Fujii-group | 2013-07-02 22:27 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)