ハーバード白熱教室


 ちのラボは大学に所属しておりますので、先生方は当然のことながら、授業があります。そして、最近の大学は、大学生以外にも一般向けの市民講座も提供しているため(首都大学東京でオープンユニバーシティと言います)、一般向け授業も担当しております。
 簡単に「授業をしている」といっておりますが、各先生方、準備にはとても時間をかけるのです。色々勉強して、調べ、資料を集め、どうしたら、そのトピックに興味を持たせられるか、このややこしい内容を何に例えると、頭に浸透していくのだろうか・・?、聴衆に合わせて(大学何年生レベルか?大学院生か?専門家向けか?一般向けか?)、どの程度まで話すことが適切か? などなど・・・。

そんな中、最近、NHKで放送されているハーバード白熱教室の話題を聞きました。なんと!アメリカでは、サンデル教授が行う講義があまりにも人気になりすぎて、授業の公開に踏み切ったそうです。授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことらしい。そして、最近はNHKで放送しており、日本にいながらハーバードの授業が拝見できるのです。

 授業の内容は、哲学倫理に関することで、我々の理系分野とは少し違うのですが、私は内容というよりも授業のスタイルに感動しました。
 先生が、黒板やスライドを多用するわけではなく(先生が一方的に概念を教えるわけではない)、学生がとにかく学ぶことに熱心(学生が自ら考えて発言する、誰も先生の授業のノートを取ることに集中していない)、そして学生の知識力(勉強していないとあれだけの発言はできないぐらい勉強しております、また過去の先生の発言内容をよく覚えていて、反論の時にはそれを引用しながら、反論している)、これは、日本ではありえない光景です。そして、ああいう光景をみると、我々先生方は深く反省するのです。いや、日本のスタイルでは、学生に考える力をつけさせることはできないかなあ・・・と。
 
 ただ、今の日本で、あの授業形式にしたら、誰も発言しないでしょうし、「先生、テキストはないんですか?何を勉強すればいいのですか?」と反感を生みそうな気もします。

 我々、先生方も、そして、学生も少し勉強する、考える、教える、教えられるということを考え直さないといけないのかなあと思う授業です。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-29 11:52 | 研究以外の日々 | Comments(0)

M2 M山君の紹介

本大学でのラボ生活も2年目に入った、M山君から、自己紹介文が送られてきましたので、ご紹介します。
****************************************************************

みなさん、こんにちは。M2のMです。ブログでは"tall M"になってる方です。
健康診断で、まだ背が伸びてる事に驚きました。

さて、今までの日記で研究室内でメンバーがどのような生活をしているかが
伝わったと思うので、今回は私の行っている研究内容について少し紹介したいと思います。

私の研究はとある企業との共同研究なので、詳しくは書けませんが、
ある物質の糖取込のメカニズムの解明を行っています。
糖の消費の大部分は骨格筋で起こる!ので、摘出骨格筋の情報伝達を調べています。
この実験を1年続けてきましたが、なかなかポジティブな結果が出なくて…。
でも、希望の光が射しました!
このコのおかげです!
b0136535_20223142.jpg

糖尿病モデルマウスにある物質を食べさせると、骨格筋の糖取込が
促進されるという結果を得る事ができました。これで一歩前進です!
でも、この実験で初めて長期的にマウスを飼育する事になって、
情が移らないようにするのが大変でした。
マウスに高脂肪食を食べさせて糖尿病を発症させているので結果を出さないといけないですね。

実験には当ラボの特殊技術である「骨格筋を用いたグルコーストランスポートのシステム」を
用いています。
興味がある方はこのブログに載っていますので、ぜひ見てみてくださいね。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-20 20:23 | メンバーの日記 | Comments(0)

今週のラボミーティングはM2のM山君の担当でした。
これまで、メタボ予防には持久運動に注目したデータが多かったのですが、速筋繊維を鍛える筋トレでも効果があるかもしれない・・・という意味をもつような内容でした(実際はマウスを使った実験ですので、筋トレさせて痩せたわけではありません)。

以下が彼がまとめた内容です。
****************************************************

Cell Metab 7, 159-172, Feb. (2008)
Fast/Glycolytic Muscle Fiber Growth Reduces Fat Mass and Improves Metabolic Parameters in Obese Mice
Yasuhiro Izumiya, Teresa Hopkins, Carl Morris, Kaori Sato, Ling Zeng, Jason Viereck, James A. Hamilton, Noriyuki Ouchi, Nathan K. LeBrasseur and Kenneth Walsh

肥満やそれにより引き起こされるメタボリックシンドロームに運動が効果的であることは周知である。この運動が持つ効果について、endurance trainingに関しては多くの研究が行われているが、resistance trainingについてはほとんどわかっていない。この論文では、resistance trainingの効果の1つである筋肥大に焦点をあて、肥満に対してどのような影響をもたらすか研究している。

他の論文でAkt1が筋の成長をもたらすなどの報告があり、2種類のトランスジェニックマウスの交配により、骨格筋の活性型Akt1を発現を任意で調節できるマウスを作製している。このマウスでは後肢の筋肉、特に腓腹筋の肥大が見られた。これはType IIb線維の肥大によるものであった。

このトランスジェニックマウスに高脂肪/高ショ糖食を摂食させたところ、活性型Akt1を発現させた場合に脂肪の蓄積が起こらず、インスリン抵抗性も改善した。またインスリンやレプチンと行った血中成分の量も普通食を摂食したマウスと同等のレベルにまで回復した。このとき、腓腹筋では糖代謝に関わる遺伝子の発現が上昇したが、脂質代謝や酸化的リン酸化に関わる遺伝子の発現は減少した。一方、肝臓においては脂質代謝の遺伝子の発現が上昇している事がマイクロアレイにより判明した。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-20 19:47 | ラボミーティングの内容 | Comments(1)


来週の土曜日に、京都大学にて、分子骨格筋代謝研究会が開催されます。
詳細は以下の通りです。

第2回分子骨格筋代謝研究会
日時:平成22年5月22日(土)13時開始 18時20分終了予定
場所:京都大学吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟 地階1階 大会議室(http://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/)
参加費:1000円 (院生・学生は無料)


プログラムはホームページ のほうに、掲載しておりますので、そちらからご覧ください。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-13 19:31 | お知らせ | Comments(0)

新人Y君

今年からの新メンバー4年生Y君からの紹介文です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はじめまして、学部4年の山田です。イニシャルはKYです。今回は初めての投稿なので、自己紹介と研究室で本格的にお世話になって1カ月の感想を書こうと思います。

まず僕の略歴?を書かせていただきます。1988年3月9日、山田家の長男として世田谷区で産まれました。小さい頃は虫を捕まえたり、庭を掘り返したりしてミミズを捕まえて遊ぶのが好きでした。今考えるとこの頃から生命科学を学ぶ意欲があったのではないかと思います。小学校では科学部、クラスの生き物係、飼育委員会に所属しており、これまた生命科学を学ぶ意欲が感じられます。中学・高校は音楽部に入り、また厚木市の少年少女合唱団に入ったりもしました。というわけで音楽はけっこう好きです。大学は家から近い国公立という理由で首都大の生命科学コースを選び、入学してから3年間、のんびりと勉強したり遊んだりしました。
こんな育ち方をした自分の性格ですが、とにかく気が長いです。平気で何時間もぼーっとしてたりします。行動が遅くて周りの人に迷惑をかけることがあるかもしれないです。その際はどうぞ叱ってください。
趣味はバイクと写真です。休日はバイクで景色のいい所に出かけて風景写真とったりしてます。登山もします。反射神経が鈍いので、素早い動作を要するスポーツは苦手です。

運動生化学研究室に入って一カ月、土屋さんにいろいろなことを教わりながら、一人前の理系大学生になれるよう日々精進しています。実験の手法や背景知識はもちろんですが、ラットの手なずけ方、あやし方も教えていただきました。実験動物を扱う上で心得ておくべき生命倫理的な話もしてくださいました。研究とラットの世話だけでも大変なのに、我々4年生の世話までしていただいてありがとうございます。早く上達して実験の補助ができるようにがんばります。ところでラットと4年生、どちらの世話が大変ですか・・・?笑

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の「早く上達して実験の補助ができるように」、というのは「早く上達して独り立ちしたいです」の間違いですね。たぶん・・・・・そう望んでます。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-08 13:14 | メンバー紹介 | Comments(1)

新歓

 少し遅めの新人歓迎会が先日行われました。今年はM1が1人と4年生が4人もラボのメンバーに加わり、とても人数が増えて、活気がある会となりました。ラボメンバーからの一言もホームページのほうに更新しましたので、ご覧ください。
b0136535_183002.jpg


 新人歓迎会に加え、ラボのどなたかのおめでたいこともあり、そのお祝い会&プレゼント贈呈を行い、大いに盛り上がった会となりました。
 皆さん、この勢いで、実験も頑張りましょう!。
b0136535_18303296.jpg

[PR]
by fujii-group | 2010-05-06 18:31 | 研究以外の日々 | Comments(1)

ジャーナルクラブ

今週のラボミーティングはM1のMさん紹介の論文でした。
彼自身が実験の方法、解釈の仕方などを勉強する良い機会となった論文ではありましたが、内容は・・・・少し、まどろっこしい、強引、それで??っといったような、意見が多く・・・・とてもどんなに質のよいジャーナルでも、世間を納得させる論文は少ないのだなあと感じたペーパー紹介でした。

以下は本人から送られてきた要約です。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
J Immunol. 2009 Jun 1;182(11):6896-906.The Golgi-associated protein p115 mediates the secretion of macrophage migration inhibitory factor.
Merk M, Baugh J, Zierow S, Leng L, Pal U, Lee SJ, Ebert AD, Mizue Y, Trent JO, Mitchell
R, Nickel W, Kavathas PB, Bernhagen J, Bucala R

macrophage migration inhibitory factor(MIF)は、シグナルペプチドを持たない、分泌タンパク質として注目されている。しかし、その分泌様式は解明されておらず、さまざまな説が存在する。
 今回、細胞からのMIFの分泌には、MIFとp115(小胞接着因子)の結合が重要であることが示されている。
 酵母2ハイブリッド法(Stratagene)を使用し、網羅的にMIFと結合するタンパク質を調べたところ、p115が候補に上がった。そこで、MIFとp115が結合(タンパク-タンパク間の結合)するという裏付けを取るために、Competition binding assayや共免疫沈降法を行った。結果、結合するというデータを得た。
 さらに、細胞からのMIF分泌にp115が関わることを示すために、RNAi効果を使用し、p115をノックダウンした細胞(Human THP-1 monocytes)を作成した。そのp115をノックダウンした細胞において、MIFの分泌をELISAにて計測すると、分泌が減少していることが分かった。また、他の細胞(Human THP-1 macrophages)をLPS(MIF分泌誘発剤)刺激した後、上清を回収し、MIFとp115の分泌量を確認すると、高い相関があることが分かった。それらの結果を総合し、MIF分泌にはp115が必要だと結論づけている。(MIFがどのようにp115と結合するのか、結合後にどのように分泌されるのか、などのデータは無い)
 最後に、The small molecule inhibitor 4-IPPがMIFに結合することでMIFの構造を変えて、MIFとp115の結合に影響をあたえることを示している。
[PR]
by fujii-group | 2010-05-01 19:26 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31