<   2009年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

外部から遺伝子を発現させる方法ーその2-

 前回のブログで紹介しましたように、我々のラボでは骨格筋に外来的な遺伝子を注射することにより、一時的に特定遺伝子を過剰発現させることができるin vivoエレクトロポレーションの技術を有しております!。
 この方法は骨格筋に(筋以外にも脳や、皮膚などでも応用されているようです)、目的の遺伝子を発現させる方法で、トランスジェニックマウスなど作成に数年要する方法とは違い、遺伝子さえあれば数週間でその遺伝子を発現させ、解析することができます。
 方法は、発現させたい遺伝子を運び屋であるプラスミドにくっつけて、大量に増やしてそれを注射します(注射しただけでは細胞の外液に存在し、細胞内には取り込まれません)。これと同時に、遺伝子を入れた位置に電気刺激を与え、一時的に細胞膜を不安定にさせると、細胞外液とともに注射した遺伝子も取り込まれます。実際にこの方法で、筋では遺伝子注射した後1-2週間後には発現が見られます(発現は、数か月間見られるものもあります)。

b0136535_20233355.jpg

 もし、100mを9.5秒で走ることができるであろう遺伝子Aを発見して、その遺伝子Aが実際にそのような効果を有するかを明らかにしたいとき、この方法でマウス骨格筋に注入し過剰に発現させて、そのマウスを走らせると、実験しようと思ったら大脱走して、捕まえることができず、大変なことになるかもしれません!
[PR]
by fujii-group | 2009-08-26 20:27 | 研究に関連する話 | Comments(0)

外部から遺伝子を発現させる方法 -その1-

 本日のニュースで日本の大学の研究者がパーキンソン病の患者脳にウイルスを使った遺伝子治療である程度の成功を収めていることが紹介されておりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090814-00000616-yom-sci
全くわからない人には「遺伝子治療って、人間のDNAが全部解読されたのであったら簡単にできるのではないの?」なんて思うかも知れませんが、そう簡単に外部から遺伝子をいれて置き換わってしまう(遺伝子操作ができてしまう)ほど、我々の体は単純にできていないのです。

 実験的に培養している細胞に遺伝子を入れることは、近年では簡便になりました。なぜなら、培養細胞は皮膚もなければ、なにもない。発現させたい遺伝子を運び屋(ウイルスとかプラスミドとかです。ベクターともよばれます)につなげて、細胞を飼っている培養液に入れるだけです。

 しかし、遺伝子の発現を動物の特定の領域や臓器に長期間発現させることはそう簡単ではありません。そのため、実験動物では卵の段階で、遺伝子操作して、子供を産ませて、育て、遺伝子操作した動物を作ります(トランスジェニック動物)。簡単そうですが、うまくいかないことも多々あり、うまく行っても実験開始から、結果を得るまで数年が必要となります。

 もっと、単純に遺伝子を操作できる(外部から遺伝子を簡単にいれることができる)方法があれば、実験が進むのに・・・と思いませんか?全く無いわけではないのですが、・・・発現がうまくいかなかったり、数日で消滅してしまったりと、完璧な方法ではないようです。
     しかし034.gif!。我がラボが用いている骨格筋ではある程度骨格筋に特異的に、かつ1-2ヶ月間という長い間、特定の遺伝子を発現させることが可能なのです。
どのような方法を用いればよいのでしょうか?
その方法については次回に・・・・。
[PR]
by fujii-group | 2009-08-17 19:46 | 研究内容 | Comments(0)

夏の休みに少し本を

 ずいぶん昔に書かれたのに最近また話題になっている本に「思考の整理学」(外山滋比古 著)があります。ブームにのるのは好きではないのですが、学生さんには読んでもらいたい本だな・・・と思います。教員側のから口に出すと説教っぽくなることを、さらりと書いてくれています。たとえば最初の章では、「学校がグライダー訓練所になっている(グライダーは美しいけど、地力で飛ぶことができない)」「最近の学校は教える側が積極的すぎる、親切でありすぎと・・・。」(内容は買って読んでください、高くないです!)。
確かに、最近は学生の数が減少したせいか、学校は学生にはとても親切です。先生も教えてしまう方が失敗なく簡単だし、何よりも教員の評価や、アカハラ、パワハラなどの言葉におびえて一から十まで丁寧に、教えてしまいます。人間、教えてもらうのって楽なのですよね。しかし、それではやはり何の解決にもならないのでしょう。

 今のこの世の中、なかなか昔堅気の先生は少ないので(そのような先生を排除する世の中のシステムですから・・・)、この本に書かれているようなことは無理だ!などと言わないでください。色々なタイプの先生がいるから、「あの先生はああだ、こうだ」と人のせいにしても仕方無いのです。要は、勉強する側が、少しでも、自分で調べて、考える、そして、他人のやっていることをよく見て、自分に活かすということを心に留めておくことだと思うのです。少なくとも研究という世界に片足突っ込んだ人は、「先生は教えてくれない」ではなく、何とか自分で解決していこうという心意気が重要なのかもしれません。
  
 でもこの本は20年以上前に出版されていた本ですので、著者は今30-40代の人のことを指して書いているはず(管理人はその世代・・・)。人間立場が変わると偉そうになるものだなぁと自分も少し反省。
[PR]
by fujii-group | 2009-08-07 19:47 | 研究以外の日々 | Comments(0)

夏休みモード

8月に入りました。大学では、試験もほぼ終わり、学生は夏休みモードです。
 我がラボが所属しているヘルスプロモーションサイエンス学域は体育、心理、生物学(農学部)から工学と様々なバックグラウンドの先生が働いております。分野は違っても「健康に関する研究」という共通点をもった先生が集まっております。しかし、先生・学生さんは皆さんとても忙しく、自分たちのヘルスプロモーションに関しては、全くケアできていない状態です。
 そこで、N先生が、「週に一回ヘルスプロモーションのためにバドミントンをしよう!」という企画を立ち上げてくれ、金曜に朝に皆でバドミントンを行っておりました。N先生は体育出身(それもバドミントン専門)で今は研究者ですからで、バドミントンはプロ級です。そんな先生と一緒にバドミントンができ、アドヴァイスをもらえるなんてそうあることではありません!。
前期は先週で終了でしたが、最後ということもあり、多くの人が集まってくれました。ダブルスで試合を行っていくのですが、N先生ペアと試合をすると、どのペアも勝つことができませんでした。N先生のペアの相手はどんな方でもいいのです(幼児でも80歳の人でも勝てると思います!)。バドミントンで勝ってみたい!という人は後期も(9月位から)開催予定ですので、是非ご参加ください。
b0136535_14241259.jpg

                             ↑ 
              撮影は写真の中にいないH先生です!
[PR]
by fujii-group | 2009-08-01 14:28 | 研究以外の日々 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


by Fujii-group
プロフィールを見る
画像一覧