この日は大阪大学基礎工学研究科機能創成専攻の松井翼先生が、私たちとの共同研究で使用するアルゴリズムを作製・持参してくださりました。その使用方法を教授していただくのが目的でしたが、チャンスとばかりに、夕方には第34回独り占めセミナーの講師をお願いしました。

タイトルは「細胞内因性収縮力を計測/評価するシステムの開発」でした。本学システムデザイン研究科の坂元尚哉先生と三好洋美先生のグループにも参加いただき、活発な議論がなされました。

メカノバイオロジーの分野は、今後、大きく発展する分野として注目されています。その先端におられる先生方と研究について語る機会は、私たちの研究室にとって大変貴重なものでした。
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# by Fujii-group | 2017-11-21 19:12 | メンバーの日記 | Comments(0)

A木さんの学会報告

こんにちは。首都大では今日から3日間、大学祭が行われる予定です。

ぜひ、首都大学東京に興味のある高校生やお友達のいる大学生、ご近所の方々など、こぞって来ていただきたいと思っています。(そんな私は実験をしているM2A木です。)

さて、先月の14日(土)、御茶ノ水にある順天堂大学センチュリータワーにて、国際スポートロジー学会学術集会が行われました。この学会は順天堂大学の研究者の方々を中心とした国際学会で、当日は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けての講演を中心とした、今まで私達が学んできた領域とは異なるお話を伺える学会でした。

学会の最終プログラムにポスターセッションがあり、当研究室の三田佳貴くんが「Effectof chronic muscle contraction on endurance-training-associated proteinexpression in mouse primary cultured myotubes」というテーマで発表をしました。

英語での発表だったため三田くんはこの日のために何度も発表練習を繰り返していました。その成果もあり、本番では立派にポスターフラッシュで話しており、その姿を見て、同級生ながらすごいな、頑張っているなと刺激を受けました。

(ただ、三田くんは布でポスターを作ったにも関わらず、「ポスターを布で作る意味」を忘れていたのか、大切そうに筒に入れて持ってきていました。会場を去る際に「布だから筒がいらないんだよ!折りたためるよんだよ!」とM鍋先生から指摘され、猛烈に反省している三田くんでした。天然ですね(苦笑))

現在、M2は修士論文の執筆やデータをまとめるための実験に勤しんでいます。ドクターに進学する三田くんに負けないよう、私も頑張りたいと思います。

三田くん、おつかれさまでした!!

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# by Fujii-group | 2017-11-02 17:44 | メンバーの日記 | Comments(0)

日本でハロウィーンが盛り上がり始めたのは2012年頃くらいからだそうです。

https://hacks-your-life.com/archives/1847

本研究室のハロウィーン・パーティ―の歴史はこれより古い、悠久の歴史を持つイベントです(過去のブログ参照)。今年は暦の関係で10月30日(月)と例年よりも遅い開催となりました。台風22号の進路次第では延期やむなし、しかし11月1日に入ると街はクリスマスの装飾に変わるから、その中での仮装パレードはいかがなものか、、、といった葛藤を抱えながら当日を待ったメンバーでした。

メンバーの祈りが届いたのか、アクが強すぎたのか、当日は台風の影響もなく(これまで雨無しの連続記録更新中)、研究室のある13号館から大学キャンパスを縦断して約2kmの行程を練り歩き、出会った人々にお菓子を配ることができました。最後は南大沢駅前に出て、馴染みの居酒屋で打ち上げです。居酒屋さんには前もって、仮装したまま入店してもよいことの許可を得ています。約10年前にハロウィーン・イベントを始めた当初、前もって入店のお願いをした際には「他のお客様にご迷惑がかからない配慮をしていただけるのなら入店可能です」と歓迎を受けながら釘も刺されましたが、今ではもう「楽しみにお待ちしております!」と無防備の歓迎です。

ラボ・メンバーによる仮装は、毎年はじけたり凝ったり意味不明だったりと多様ですが、今年も楽しいラインナップとなりました。集合写真の向かって左から、ムーミン・シリーズのスナフキン(K宮)とニョロニョロ(H口)、千と千尋の神隠しからアオガエル(M田)とカオナシ(K端)と千(T橋)とハク(A木)、謎のハクビシン(M鍋先生)、ミニオン親(F井)、不思議の国のアリスのハートの女王(N村)、切り落とされた自分の首を抱える聖人(U田)、成長しすぎのシャンシャン(F市先生)、キョンシー(JCあるいはC東)、ミニオン子(K城)。
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今年も道中やお店の中で、たくさんの人たちに楽しんでもらえました。自分たちが一番楽しみましたが。
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ところで、パレード出発前にはF市先生のご家族(お嬢さん二人と奥様)が来てくださりました。お嬢さんたちは魔女に変身して、なんと、手作りのクッキーをラボ・メンバーにプレゼントしてくれました。一人分ずつ綺麗にラッピングして、ハロウィーンの絵とメンバーの名前を手書きしてくれました。こんな素敵なプレゼントをもらったのに、ラボ・メンバーはあまりにリアルな仮装(とくにカブリもの系)で、二人を怯えさせてしまうという失態をおかしてしまいました。。。反省。誰が怯えさせたのかは前出の集合写真で当ててください。b0136535_11210168.jpg

打ち上げのお店の中でも油断はできませんでした。成人したメンバーをも怯えさせる、こんなキャラクターもいたのです(U田)。
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次の日、ミニオン(親)の着心地が気になったメンバーは、研究棟前で試着会をしました。2つの換気扇で空気を中に入れて膨らませているので、中は結構広い空間になっています。大きな風船のようになるので、外から抱き着くとボヨ~ンとした感触が楽しめ、周囲の人たちはいろんなアプローチで中の人を次々に戸惑わせます。M鍋先生がミニオンの中に入ると、待っていましたとばかりに古市泰郎先生が背後から何度も体当たりを喰らわせていました。日頃から色々とあるんだなあ、と、皆でうなずいていました。
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# by Fujii-group | 2017-11-01 22:19 | メンバーの日記 | Comments(0)

久々にとりとめのない話です。映画好きはごまんといます。私は映画を語るほど映画を見ておりませんし、かといって全く見ない訳ではないのですが、サイエンスを志す若者たちにサイエンスに関係する映画で、「これ面白いので、もし時間があったら見てみたら・・・」と思った映画を3本+α紹介します。古いのも含まれていますが・・・。良いものに年代は関係ありません。

(1)Gattaca  (ガタカ) 生物をやっている研究者でこの文字配列見て、ピンと来ないのなら、出直してきましょう。元々はSF映画だとは思うのですが、遺伝子改変が容易になり、デザイナーズべービーも現実的になってきた今はSFの域に入らなくなるかもしれません。

(2)October Sky (遠い空の向こうに) 実話を元にした話のようです。研究者を目指す皆様ならこのサイエンスに対する純粋な好奇心が永遠に続いてほしいと思うこともあるはず。見終わってすがすがしい気分にさせてくれると思います。

(3)Hidden Figures (ドリーム) これも実話を元にした宇宙系の話ですが、どんな研究者にも困難があるわけで、それをモノともしない強さに感動し、「あー頑張らないと・・・」という気にさせてくれます。

(+α) Lorenzo's Oil(ロレンツォのオイル)これもまた実話が元です。少し暗い映画なので、すっきりとはしないとは思いますが、真剣に何かに取り組むってこういうことなんだって若い頃に思いました。今やっている研究で誰かを救うことができるならば・・・と真剣に思いたくなります。

どれも、サイエンスに関係する映画ですが、サイエンスそのものを扱っている訳ではないので、小難しい内容ではありません。もちろん、表面的ではない部分に様々な意味が含まれているのでしょうが、そこまで真剣に考えなくても、それなりの感情が生まれてくるはずです。
久々にとりとめのない話でした。


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# by Fujii-group | 2017-10-29 20:10 | メンバーの日記 | Comments(0)

M田君 JCまとめ

mTORC1 and muscle regeneration are regulated by the LINC00961-encoded SPAR polypeptide
Nature 541, 228–232 (12 January 2017)

今回の論文は、タンパク質として翻訳されないと考えられていたNon-cording RNA(LINC00961)から、ポリペプチド(SPAR)が翻訳されており、それがmTORの経路を抑制して筋再生を負に制御していたという内容の論文です。

RNAとして転写調節や翻訳調節の機能を持つNon-cording RNAですが、最近の研究により一部のNon-cording RNAでポリペプチド(100アミノ酸程度)が翻訳されることがわかってきました。しかしながら、その機能については未解明な点が多く、解析が待ち望まれていました。
著者らは、Non-cording RNAとして報告されている配列の中から、開始コドンを持ち、翻訳される可能性のある配列(LINC00961)を見つけ出し、それが90個程度のアミノ酸として翻訳されていることを見出しました(Ex. Data Fig. 1 & Fig. 1)。また、翻訳されるアミノ酸配列内に膜貫通領域があることが予測されたことから、遠心分離により精製した膜画分のウエスタンブロットによる解析と免疫染色による解析を行ったところ、LINC00961により翻訳されるポリペプチドは、細胞質側にその大部分を突き出しており、N末側で膜に貫通し、後期エンドソームあるいはリソソームに局在することが判明しました(Ex. Data Fig. 2 & Fig. 1)。さらに、後期エンドソーム/リソソームに局在しないタンパク質(CD8)のC末の配列をLINC00961により翻訳される配列のC末と入れ替えると、CD8が後期エンドソーム/リソソームに局在したことから、LINC00961により翻訳されるポリペプチドのC末には、後期エンドソーム/リソソームに輸送されるシグナル配列があることがわかりました(Ex. Data Fig. 2)。
続いて、LINC00961がどんなタンパク質と結合するのかを調べました。LINC00961のC末にFlagタグをつけ、HEK293T細胞に強制発現させた後、Flagで免疫沈降を行い、落ちてきたタンパク質をSDS-PAGEにより分離し、銀染色により現れたバンドを、それぞれ質量分析(LC-MS/MS)にかけたところ、v-ATPase複合体のサブユニットが一緒に落ちてくることがわかりました(Ex. Data Table 1)。強制発現させた細胞の抽出物をFlagで免疫沈降した結果と、免疫沈降とGSTプルダウンを併用した細胞外でのLINC00961によるペプチドとv-ATPaseサブユニットの結合解析の結果から、LINC00961によるペプチドは確かにv-ATPaseと結合することが確認されました(Fig. 2)。
この結合が実際に、どんな経路に関わっているのかを解析するために著者らは、v-ATPaseとmTORの経路に注目しました。先行研究により、v-ATPaseとmTORC1は、Ragulator-Rag複合体やRhedを介してリソソーム膜上で結合することが報告されています。アミノ酸刺激依存的にRagulator-Rag複合体がv-ATPaseから解離し、解離したことでRagのGTP/GDP変換による活性化が起こり、mTORC1がリソソーム膜上にけん引され、mTORC1の経路がONになるとされています。先行研究を踏まえ、著者らは、LINC00961によるペプチドがmTORの活性を調節するかどうか解析を行いました。HEK293T細胞にLINC00961により翻訳されるペプチドを強制発現させ、mTORの下流にあるS6K, S6, 4EBPのリン酸化をウエスタンブロットに定量しました。すると、LINC00961ペプチドの強制発現により、アミノ酸刺激によるmTORの活性化が抑制されていることが明らかとなりました(Fig. 2)。反対にLINC00961によるペプチドの発現量をRNA干渉により翻訳抑制すると、コントロールよりもmTORの活性化が亢進していることがわかりました(Fig. 2)。また、ミトコンドリア輸送シグナルをLINC00961ペプチドに人為的に組み込み、LINC00961ペプチドをミトコンドリアに無理やり輸送させると、アミノ酸刺激依存的なmTOR経路の抑制が起こらないことがわかりました(Ex. Data Fig. 4)。しかし、このmTOR経路の抑制はアミノ酸刺激依存的な場合に限った反応であり、インスリンやEGF、ロイシン単体、アルギニン単体刺激によるmTOR経路の活性化を抑制することはありませんでした(Ex. Data Fig. 5)。以上より、著者らはLINC00961により翻訳されるペプチドを‘small regulatory polypeptide of amino acids response’ (SPAR)と名付けました。
次に著者らは、SPARがアミノ酸刺激依存的なmTORの活性化をどのように抑制しているのか調べました。アミノ酸刺激によるmTORのリソソームへの移行、Ragの恒常活性型に対するSPARのmTOR経路抑制度合、v-ATPase抑制によるmTOR経路抑制に対するSPARのmTOR経路抑制度合をそれぞれみたところ、SPARの抑制が働くタイミングとして「①アミノ酸刺激→②v-ATPaseとRagulator-Rag複合体の解離→③v-ATPaseによるRagの活性化→④mTORのリソソームへのけん引と活性化」という流れの中の②よりも上流に位置していることがわかりました(Fig. 3)。
以上より著者らは、SPARはリソソーム膜上でv-ATPaseに結合し、アミノ酸刺激依存的なv-ATPaseとRagulator-Rag複合体の解離を妨げ、mTORの活性化を抑制しているのではないかというモデルを立てました(Fig. 3)。
SPARによるアミノ酸刺激依存的なmTOR経路の抑制が生理的にどんな意味を持つのか解析するために、CRISPR/Cas9システムを用いて、SPAR開始コドン欠損マウス(SPAR-/-マウス)を作製しました(Ex. Data Fig. 7)。
先行研究により、mTORの活性が筋再生に重要であることが報告されていることから、著者らは、Spar-/-マウスを用いてCTX(筋損傷を起こすヘビ毒)による筋損傷再生実験を行いました。その結果、筋損傷させたSpar-/-マウスにおいて、損傷7日目で野生型マウスに比べ、損傷により現れる中心核筋細胞の断面積が大きいことが明らかとなりました(Fig. 4)。また、組織免疫蛍光染色により、筋幹細胞数(Pax7)、分化マーカー(Myogenin)発現細胞数、筋幹細胞の中での増殖マーカー(Ki67)陽性細胞数をそれぞれ計測してみると、損傷させたSpar-/-マウスにおいて、野生型に比べ、それぞれの細胞数が上昇していることが明らかとなりました(Fig. 4)。しかし、これらSpar-/-マウスの結果は、ロイシン欠損飼料飼育によってキャンセルされてしまうこともわかりました(Fig. 4)。
今回の結果は、Non-cording RNAが翻訳するペプチドは、実はノイズではなく、機能があることを提示するものとなりました。どこのアミノ酸が実際には効いているのか、アミノ酸刺激とロイシン・アルギニン刺激の兼ね合いがどうなっているのか、あるいは損傷に応答したSPARの発現抑制は何によって制御されているのかなどについてはさらなる解析が必要と思われます。
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# by Fujii-group | 2017-10-27 11:05 | ラボミーティングの内容 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々
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