なぜ、私たちは生活習慣病とやらに脅かされるのでしょう?前にも書きましたが、現代では、食べる量に比して、エネルギーを使わなくなったからなのでしょう。これに加えてもう一つ大きな変化があるのです。それは食の欧米化、つまり食生活の変化です。我々は昔に比べ圧倒的に油を多く含む食品に接する機会が多くなりました。いや、「私は、あまり油ものは食べない」という人もいるかもしれません。しかし、食べた物を思い出してください。サラダにかけるドレッシング、ポテトチップス、ちょっと口にしたスナック菓子、チョコレート、シュークリーム、ピザ、ラーメン、カレー、すべて油が、たくさん含まれております。そして、悲しいことに、油が多く含まれている食品は美味しいのです。
ここで、面白い実験を一つ。
最近われわれの研究室では学部三年生向けの実験である「糖代謝機能の解析」を担当しております。この実験では、2週間普通食で飼育したマウスと2週間普通食と同時に、自由に100%コーンオイルを与えたマウスを比較するのです。そして、
恐ろしいことに、たった2週間の食生活の違いで、マウスたちの体重は約5-10gも違ってくるのです(普通食マウスの体重約30g、普通食+コーンオイル食マウスの体重 約40g)。本当に恐ろしい結果です。
皆さん、おいしい顔をした油には気をつけましょう。