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メンバーの日記

「辛さ測定」 M田

皆さんはどれくらいの辛さまで耐えられますか?
最近、私たちの研究室に初めて来られる方がいらっしゃいますと決まって質問することがあります。それは、「好きな食べ物はなんですか?」という質問です。普通であれば何の変哲もない質問なのですが、うちのラボでは重要な質問になります。なぜなら、うちのラボでは密かに味覚の研究もしているからです(密かにと言ってしまいますと僕の指導教官から怒られてしまいそうですが…)。今回はヒトを用いた辛さに対する実験をご紹介します。
現在、ラボには辛さにめっぽう強い方(Spicy Resistance: SR)とめっぽう弱い方(Spicy sensitive: SS)がそれぞれ数名いらっしゃいます。ある日のミーティングでF井先生(予想:SR)から自分の耐性を凌駕する辛さに出会ったという報告がありました。すると、いつもはおとなしいK端さん(予想:SR)の目が輝きはじめると同時に、痛みに耐性を持つM鍋先生(ある意味SR?)の好奇心にも火がついてしまいました。敗北宣言のF市先生(予想:SS)とT橋さん(予想:SS)を横目にラボメンバーの辛さ耐性度合を知ろうという実験がスタートしました。
今回用意した試薬はカレー(カレー専門店「エチオピア」)です。辛さの濃度は5段階。1倍、5倍、10倍、30倍、60倍です。ここで押さえておきたいポイントは、「濃度をふるときは大胆にふれ!」ということです。大胆にふることで上にも下にも、どのオーダーで効くのかはっきりさせることができます。条件検討をする際には忘れないようにしましょう!ちなみに1倍と60倍では溶液(ルー)の色が変化するということが生じました。

今回の実験の評価法としましては、1倍より上がダメな方をSS、5倍以上30倍以下をWT、60倍耐性をSRとしました。
実験の結果、F井先生とK端さんは予想どおり60倍耐性という結果でした。K端さんに至っては好物が食べられたことがうれしかったのか、60倍を食べながら口元が緩んでいました。加えてM.Nさんも一過性であれば60倍耐性があるということがわかりました。「辛すぎは美味しくない」とコメントのあったM鍋先生、七味唐辛子トレーニングを積んだA木さん、ガッツをみせて健闘したH口くん、試薬に対する事前学習をして臨んだK宮くんらは、僕も含めて30倍耐性に落ち着きました。対して、F市先生、T橋さん、井上さん、出牛くんらは、1倍で十分といった様子で、一度は60倍にチャレンジしたのですが、見事にSSの反応が見られました(咳、急激な発汗、赤面)。
 「辛さ測定」 M田_b0136535_12284229.jpg
 「辛さ測定」 M田_b0136535_12285326.jpg
まとめますと、一過性のエチオピアカレーによる刺激において、
SR:F井先生、K端さん、M.Nさん
WT:M鍋先生、A木さん、M田、H口くん、K宮くん
SS:F市先生、T橋さん、井上さん、出牛くん
という結果になりました。
後ほどいただいた被験者による回答によりますと、SSの方々は1倍で十分あるいは1倍すら無理といった感想でした。他の方々は一皿食べるなら10倍がちょうどいいかもという回答でした。
今回の結果、60倍はSRの方々にとっては耐性限界でないことがわかりました。今後はさらに濃い濃度(70倍)による検討を行いたいと思います。また、今回は一人前をみんなで分けて食べたため一過性の刺激でした。よって、濃度だけでなく継続時間(量)についても検討していけたらと思います。加えて、n数がまだ十分ではないので引き続きデータを取っていけたらと思います。

ブログを読まれている皆様もこの夏エチオピアカレーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 「辛さ測定」 M田_b0136535_12290033.jpg

by Fujii-group | 2016-08-09 20:43 | メンバーの日記 | Comments(0)

分子生物学、運動生化学、生理学研究、の日々


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